お手持ちのピルで調節できます。スタッフまでご相談下さい。
正常な月経周期とは25日~38日とされています。
無理なダイエットやストレス、甲状腺の病気などが原因で無排卵となり、月経周期が乱れることがあります。
基礎体温を計ってみて排卵があれば様子をみても大丈夫ですが、無排卵のまま長い間治療せずに放置すると、将来、不妊症の原因になることもあります。
きちんと基礎体温をつけて病院へ行きましょう。
若い人の不正出血の原因には、子宮頚管ポリープや子宮膣部びらんからの出血、ホルモンバランスの乱れによる不正出血、排卵期の出血などが多く見られます。最近20代の方の子宮頚がんも急速に増えていて注意が必要です。基礎体温をつけてみるとより原因がハッキリします。
中年期以降では、さらに子宮筋腫、子宮がん(子宮頚がん、子宮体がん)などといった原因が加わります。
いずれにしても原因をはっきりさせるために婦人科を早めに受診しましょう。
当院では、炭酸ガスレーザー用いた、子宮腟部びらんや子宮頚部異形成 のレーザー蒸散(じょうさん)手術を行っています。
出血を繰り返す子宮腟部びらんや子宮頚部中等度異形成などが対象になります。これらの手術は保険診療で行うことができます。
婦人科に相談に来る患者さんの悩みで、いちばん多いのが月経痛です。痛みがひどい場合は婦人科を受診して下さい。
病気がなければ機能性月経困難症
これといった病気がないのに、寝込んでしまうほど痛みがつらい状態を機能性月経困難症といいます。原因は、子宮の入り口が未熟で硬く狭かったり、子宮後屈のため月経の血が排出されにくかったり、ホルモンバランスのくずれによる骨盤内のうっ血、全身の血行の悪化、ストレスなどがあげられます。
おもな症状は、月経が始まって2〜3日目の量が増えるころに下腹部の痛みが起こり、肩こり、むくみ、吐き気、イライラ、のぼせ、眠気などを伴う場合もあります。
卵巣ではふつう、左右から交互に排卵が起こりますが、そのときのホルモン状態によって月経血の量も異なり、痛みや症状の程度は変わります。
病気が原因の器質性月経困難症
月経痛には、病気が原因の場合もあります。子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気や、炎症などが原因で起こる他の臓器の癒着などが痛みを起こしているケースを器質性月経困難症といい、このような場合は、原因となっている病気の治療が必要です。
痛みの程度が軽く、市販の痛み止めを1〜2回飲めば大丈夫という程度であれば必要以上に心配することはありません。ただ、痛くて寝込んでしまうなど、日常生活に支障が出る場合には、婦人科を受診することをおすすめします。
また、最近月経痛がひどくなってきている、痛みに加えて経血量も増えてきた、セックスのときや排便のときに痛みを感じるといった場合には、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因の場合が心配されます。はやめに婦人科へ受診して、原因をつきとめましょう。
診察では、まずは病気が隠れていないかどうかを超音波検査などで調べます。その結果とくに病気がないようであれば、それぞれの症状をやわらげる治療をします。
まず鎮痛剤を試してみましょう。鎮痛剤を使用しても月経痛が強い場合には低用量ピルを使用します。
低用量ピルは月経痛に大変効果があります。ピルは排卵を抑え、避妊の目的で使われますが、月経痛も軽くすることができます。ピルには2種類の女性ホルモン(=卵胞ホルモンと黄体ホルモン)が含まれ、黄体ホルモンは子宮内膜の増殖をおさえて経血の量を減少させる効果があります。
漢方薬も月経痛に効果的で、カラダの冷えや骨盤内の血流の改善、イライラなどの精神症状にも効き目があります。
月経痛を我慢する必要はありません。治療法は色々あります。ぜひご相談ください。
これといった病気がないのに、寝込んでしまうほど痛みがつらい状態を機能性月経困難症といいます。
原因は、子宮の入り口が未熟で硬く狭かったり、子宮後屈のため月経の血が排出されにくかったり、ホルモンバランスのくずれによる骨盤内のうっ血、全身の血行の悪化、ストレスなどがあげられます。
おもな症状は、月経が始まって2〜3日目の量が増えるころに下腹部の痛みが起こり、肩こり、むくみ、吐き気、イライラ、のぼせ、眠気などを伴う場合もあります。
カラダが成熟するにつれ月経痛は軽くなるといわれますが、必ずしもそうとばかりはいえません。生活環境の変化やストレスから痛みを強く感じることもあります。
鎮痛剤を内服する場合には痛みがピークになる前に内服することがポイント。
痛み止めを使っても日常生活に支障をきたす場合には低用量ピルの使用をお勧めします。 低用量ピルを服用することで、痛みがとても軽くなります。
低用量ピルには、その他にも月経の量を少なくしたり、月経の周期を整える、月経予定日ををずらす、お顔の吹き出物を改善する、多毛を改善すると言った効果も期待できます。
機能性月経困難症の人が年齢ともに子宮内膜症や子宮筋腫などを併発した場合、さらに生理痛は悪化します。
そして子宮内膜症は不妊症の原因にもなります。
低用量ピルは子宮内膜症を予防、治療する効果もあります。
月経痛がひどい人で、今すぐ妊娠する予定のない方は、ぜひ低用量ピルを服用することをお勧めします。
副作用として吐き気やむくみ、胸のハリが出ることもありますが、多くはとても軽いものです。
子宮にできる良性のこぶで、筋腫のできる原因は不明ですが、発生する場所(ショウ膜下筋腫、筋層内筋腫、粘膜下筋腫)によって症状が違います。
ショウ膜下筋腫といわれる子宮の外側にできる筋腫は、大きくなると圧迫症状(下腹部膨満感、頻尿)を起こします。ショウ膜下筋腫の場合は、大きくなって圧迫症状が出るようであれば治療の対象となります。
筋層内筋腫は子宮の筋肉の中にできるもので、過多月経や月経痛を引き起こすことがあり、症状が強い場合には治療の対象となります。
粘膜下筋腫は子宮の内側に発生する筋腫ですが、これは小さいものでも過多月経や不正出血の原因となります。
筋腫が小さく、症状もなければ超音波などで経過を観察するだけでよいのですが、圧迫症状が強かったり、痛み止めを飲んでも月経痛がつらい場合や月経量が多く貧血になる場合は治療の対象となります。
症状がそれほど重くない場合や筋腫が大きすぎない場合は薬物療法の対象になります。治療薬には女性ホルモンを抑えるGn-RHアゴニストや低用量ピルを使います。
Gn-RHアゴニストは脳の視床下部に働きかけて女性ホルモンを停止させ、一時的に閉経状態を作ることにより、子宮筋腫を縮小させます(偽閉経療法といいます)。一般的には4〜6か月間使用しますが、薬を中止すればまた再び筋腫は大きくなってしまいます。閉経が近い年齢の方ならば偽閉経療法後も月経が再開せず薬で逃げ切ることもできますが、それ以外の女性ではお薬を中止した時に子宮筋腫が再度大きくなりやすいため、貧血改善のために一時的に治療が必要なときや、手術前に子宮筋腫を縮小させる目的で使用します。また、粘膜下筋腫のある方にGn-RHアゴニストを投与した場合に、ホルモンの作用で投与開始後に大出血を起こすことがあるため、粘膜下筋腫の方には使用しません。
症状が強い場合や筋腫が大きすぎる場合には手術療法の対象になります。手術には腹式子宮全摘出術といってお腹を切って子宮をとる場合と、腹腔鏡下子宮全摘出術といって腹腔鏡を併用してお腹を大きく切ることなく膣から子宮を摘出する方法などがあります。今後お子さんを作られることを考えているかたには、子宮筋腫核出術といって子宮筋腫だけをとる手術があります。
どの術式を選択するかは、子宮の大きさや癒着の程度などで決めます。
最近ではかなり大きい子宮筋腫でも、手術前にGn-RHアゴニストを使って子宮筋腫を小さくしてから腹腔鏡を併用して膣式で子宮をとるという方法も増えてきています。
当院ではその方の生活環境やご希望に沿って、どんな治療法がその方にとってベストかをご相談しています。また、手術が必要な場合もその方に一番適切と思われる病院をご紹介させていただいています。
本来子宮の内側にあるべき子宮内膜が、なんらかの原因により子宮内腔以外の場所で発育、増殖を繰り返す病気です。子宮の内側にある子宮内膜は月経血として腟から体の外に流れ出ていきますが、子宮以外の場所で増殖した子宮内膜はお腹の内にとどまり、炎症や痛み、癒着(ゆちゃく)の原因になります。
子宮内膜症ができやすい場所は、腹膜、卵巣、子宮と直腸の間のくぼみ(ダグラス窩)です。卵巣にできたものを卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)とよびます。ごくまれに、肺など遠く離れた臓器にできる場合もあります。
おもな症状は月経痛で、その他に腰痛、性交痛などがあり、不妊症の原因となることもあります。診断は内診や超音波、血液検査で簡単にすることができます。
お薬を使う場合と手術療法があります。子宮内膜症は進行すると手術が必要になります。また、不妊症の原因にもなってしまいます。低用量ピルは子宮内膜症の症状である月経痛を改善するだけでなく、発症や進行を止める効果もあり、妊娠する予定のない方で月経痛のひどい人は、子宮内膜症が悪化しないようにぜひ低用量ピルを服用することをお勧めします。お薬はその患者様の症状や病気の程度によって様々なものを使いますが、いずれもお薬の副作用はわずかです。
月経の時に剥がれ落ちるはずの子宮内膜の組織が子宮筋層の中にできる病気です。
月経のたびに子宮筋層の中にできた組織が増殖と剥離を繰り返し、徐々に子宮筋層が厚くなって様々な症状を引き起こします。
月経痛、月経量の増加、月経が長引く
子宮内膜症と同じように、低用量ピルや黄体ホルモン療法、偽閉経療法を行なったり、IUS(ミレーネ)というホルモン剤が付加された子宮内リングを挿入しますが、お薬を使っても痛みや過多月経が良くならない場合は手術をして子宮を摘出します。
月経の3〜10日くらい前から乳房が張る、下腹部痛、便秘、むくみ、頭痛、眠気、めまい、吐き気や、気分の落ち込み、イライラ、過食といった精神症状などといった様々な症状があらわれて、月経が始まると消失するーーーこのような月経前のこころやからだの不調のために日常生活に支障をきたすものを月経前症候群(PMS)といいます。
原因はよくわかっていませんが、排卵に伴うホルモンの急激な変化に脳の中枢の視床下部が対応しきれずに、様々な自律神経失調症状を引き起こすことが原因ともいわれています。
低用量ピルや、利尿剤、精神安定剤、などの服薬で症状を軽減することができます。
下腹部痛は妊娠初期や月経前によく起こりますがその他の病気から来る場合もありますので注意が必要です。
そもそも下腹部痛とは下腹が痛くなる症状ですが、下腹部痛の原因となる病気には子宮筋腫や子宮内膜症などの子宮の病気や、良性の卵巣腫瘍や卵巣がんといった卵巣の病気、卵管炎などの卵管の病気、膀胱の炎症、虫垂炎、ヘルニア、子宮外妊娠、流産など非常に様々です。
下腹部痛は特に女性には異常を告げるサインですので婦人科を受診して病気が無いことを確認しましょう。
咳やくしゃみをしたり笑ったりした時など、お腹に力が入った時に尿がもれてしまうタイプの尿漏れを、腹圧性尿失禁といいます。出産や加齢、血液中の女性ホルモン濃度の低下、肥満などが原因となって、膀胱や尿道を支えている骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることによって、尿道をうまく締められなくなり、尿漏れを起こす病気です。
腹圧性尿失禁の治療の中心は、「骨盤底筋体操(膣トレ)」です。 緩んでしまった骨盤底筋を鍛えて、臓器が下がるのを防ぎ、尿道や肛門を締める力やコントロールする力をつけることで、尿漏れを防ぐ方法です。
薬による治療では、尿道を引き締めるはたらきがある薬(β受容体刺激薬)などを用います。
腹圧性尿失禁に対して、YAGレーザー、CO2レーザー(モナリザタッチ)、フェムフロー、超音波を当てる治療(膣ハイフ/HIFU)、エムセラも有効と言われています。特に膣ハイフは、膣の筋層まで作用するための尿もれの症状に対し最も有効です。これらを行っても尿もれが酷い場合には手術を受けることになります。手術には、尿道を吊り上げる方法(尿道スリング手術)や、コラーゲンを注入して尿道の筋肉を強くする方法などがあります。
膣トレとは、骨盤底筋を鍛えることを言います。骨盤底筋とは、骨盤底(下部)にある筋肉と靭帯の総称の部分になります。トレーニングをすることによって膣周辺の骨盤底筋を鍛え、感度アップ、下半身引締め、産後のゆるみや尿漏れ防止など女性にも嬉しい効果がたくさんあります。さらに、インナーマッスルが鍛えられ、姿勢が良くなります。それから、血流も良くするので、冷えの改善にもつながります。
やり方は、 両足をそろえ、姿勢を正して立ち、手をお腹とお尻にあてる。姿勢を保ち、息を吐きながら5秒ほどかけて膣と肛門をギューッと締める。2~3回繰り返す ふたたび5秒ほどかけて息を吸いながらゆっくりとゆるめる。 これを2~3回繰り返す。膣の締め方のコツを覚えれば、立っていても、座っているときも、寝ているときもいつでもできます。
また、常に肛門を占めて生活することを心がけるのもお勧めです。姿勢も良くなって、腰痛が改善し、お腹ポッコリも予防できますよ~。
でも、膣の締め方がわからない、トレーニングをうっかり忘れてしまうという方にお勧めのものがあります。
近年、膣トレーニング用のインナーボールなどの膣のトレーニングが注目されています。
インナーボールを用いたトレーニング方法としては、まず、中に重りが入ったボールをタンポンの要領で入れて、30分間程度入れたままで過ごします。膣の中にトレーニングボールがあることを意識して、ボールが落ちないように締めるのです。徐々に慣れていったら、重量や時間を増やして鍛えていきます。慣れるまでは長時間の使用は避けてださい。現在はさまざまなものがありますので、形状や素材、トレーニングの仕方によって自分の合ったものを選ぶことをお勧めします。
他のやり方では、自身の指を用いたトレーニングもあります。自身の指を用いるので、締まる感覚がわかりやすくトレーニングしやすいです。やり方としては、指2本を第二関節あたりまで入れて締めたり緩めたりを繰り返し、ほぐれてきたら膣を締めたままで5~10秒間キープを1日合計5回程度になるように行うとよいでしょう。
膣が締まる感覚がわからない人は、尿を全部出しきった状態で尿を途中で止める感じでキュッと締めてみてください。この感覚が膣を締める感覚です。
また最近ではアプリと連動して膣圧を測定できるグッズ(イーケーゲル)もあり、トレーニングメニューがついているものもありますので、本格的に行いたい人にはお勧めです。
外陰部のかゆみや痛みの原因としては性感染症をはじめとして非特異性膣炎、カンジダ性膣炎などさまざまな原因が考えられます。 外陰部にかゆみがあるときは、おりものシートで症状が悪化したり、シャワートイレで外陰部を洗い過ぎたりして症状が悪化することもあります。 不快な症状を感じたり、市販の外用薬を使っても外陰部のかゆみが改善しない場合には早めに産婦人科を受診しましょう。
大腸菌やブドウ球菌などの一般細菌によって起こる膣炎。からだの抵抗力が低下して、膣の自浄作用が弱くなった時に発症しやすくなります。 黄色〜茶褐色〜緑色のおりものが増え、悪臭を伴うことがあります。 かゆみはそれほど強くはありませんが、外陰部が赤くはれたりただれたりします。
抗生物質を服用したり、膣錠や塗り薬を外用するなどの治療を行います。 また、体の免疫力を低下させないようにすることも大切です。
カンジダというカビが膣の中やが陰部でで繁殖して炎症を起こす病気です。パートナーから性行為などで感染することもありますが、カンジダはもともと人の体内にある菌ともいわれ、過労や妊娠のためにからだの抵抗力が低下した時や、抗生物質を内服して膣の自浄作用が弱くなった時にも発病しますので、他の性感染症とは少し性質の違うものとなります。 症状としては酒かすや豆腐のかすのような白いポロポロとしたおりものが増えて、外陰部に激しいかゆみが起こります。
膣の中に抗真菌剤の膣錠を挿入したり、塗り薬を外用します。免疫力の低下により治りが悪くなりますので、健康的な生活を心がけて、通気の悪い下着やガードル、ジーンズの着用を避けることも大切です。 再発しやすいので根気よく治療を続ける必要があります。
おりものとは、女性性器から分泌される分泌物で、月経の周期によって、性状や量が変わってきます。 排卵から月経前には量が増えてきますが、色がいつもと違っていたり、においがしたり、外陰部がかゆかったり痛みが出る場合にはなんらかの病気になっている可能性があります。 原因としては性感染症をはじめとして非特異性性膣炎、カンジダ性膣炎、子宮頚管ポリープ、子宮頚がんなど多岐に渡ります。
痛みを伴う場合は性器ヘルペス、痛みやかゆみは強くはないけれどイボが外陰部にできている場合には尖圭コンジローマを疑います。放置することで症状が悪化しますので、早めに病院を受診しましょう。
デリケートゾーンの臭いには、膣内のものと外陰部のものがあります。
外陰部の臭いの一番の原因は雑菌です。性器周辺のアポクリン汗腺が発生させる分泌物は分泌当初は無臭であるものの、時間が経過すると匂いを放ちはじめます。縮れ毛の陰毛は直毛よりも多くの空気を絡めとります。結果として匂いの元となる菌がよく増殖し、臭いの原因となっていきます。
膣内から発生する正常な臭いは、無臭または酸味のある酸っぱいようなにおいです。なぜ酸っぱい臭いが正常かと言うと、膣の自浄作用によって発生している臭いだからです。膣の中の乳酸杆菌がグリコーゲンを材料として乳酸を分泌。この乳酸のおかげで膣の中は弱酸性に保たれ、ほかの細菌が繁殖しづらい状態に保たれているのです。このため酸っぱいようなにおいになっています。しかし、膣の自浄作用が低下すると、雑菌が繁殖して生臭いイヤなにおいになったり、おりものが黄色や緑色になったりします。
膣の自浄作用が低下する原因としては、以下のようなものが考えられます。
・ストレスなどで体の免疫力が低下
・閉経で女性ホルモンが少なくなって膣内のグリコーゲンが減少
・セックスによる刺激や膣内射精で膣内がアルカリ性に傾いたとき
このように、膣内がアルカリ性に傾いてしまうとより細菌が繁殖しやすくなり、臭いにも変化が表れます。そして、外陰部もおりものでかぶれてかゆみも出やすくなります。これが膣内から発生する嫌なにおいの原因ですが、汗をかいて肌がアルカリ性に傾いたり、汗に含まれるたんぱく質や脂質が菌のえさとなって菌が繁殖すると、かゆみが出たり、外陰部からのいやな臭いが加わって、さらににおいが増悪することがあります。
臭い対策としては、一番良いのは、膣が健康であることと、雑菌を繁殖させないように清潔に保つことです。近年はケア商品も優れているものが多いので、さまざまな方法があります。ただし、おりものの量が多すぎる、色がついている、またはニオイが強い場合や、原因が真菌、トリコモナス、クラミジア、淋菌の場合には市販のケア用品では不十分です。市販のケア用品を使う前に、まずは病院を受診して、性感染症などにかかっていないかを確かめる必要があります。
デリケートゾーンの悩みの一つに黒ずみを持っている人がしばしばいます。
黒ずみの原因として、セックスのやりすぎではないかと質問されることもありますが、それは間違っています。デリケートゾーンの黒ずみは摩擦で生じるので、セックスよりも歩くときにこすれることによって、皮膚を守ろうとしてメラニンがより多く分泌されて黒ずむことが原因とされています。黒ずみで気になる部位としては、小陰唇や大陰唇から太もも内側など範囲が人によって異なりますが、一般的には小陰唇の方が多いと思います。小陰唇はメラニン色素が濃いため黒ずんでおり、刺激を受けるとさらに色素が沈着します。
日本人は色素沈着しやすい上に、デリケートゾーンという皮膚が薄いところなので、他のところに比べ黒くなりやすい部位になります。また、最近では昔に比べ座り仕事が増えたことも関係しているかもしれません。座る時間が長いと下半身の血流が悪くなり鬱血することによって黒ずむこともあるかと思います。座り仕事以外にも、きつい下着を着けることも鬱血の原因になります。皮膚があたるところによって黒ずみの位置が変わってくるので、体形にもよって異なってきます。痩せている人は、骨が出ている臀部側が黒ずみになりやすく、太っている人は、太ももの付け根部分が黒ずみになりやすい傾向があります。
また、人によって乾燥によるかゆみでつい掻いてしまう方も黒ずみになりやすいので、注意が必要です。デリケートゾーンは思った以上に繊細な部分で目の周りよりも薄い皮膚であると意識し、日ごろからのケアが重要です。乾燥が原因の場合は、保湿がしっかりしているワセリンなどを塗ることをお勧めします。
黒ずみ改善方法は、最近はさまざまな方法があります。市販薬では、ホワイトニング用の保湿クリームなどが売られています。また最近では、黒ずみを改善する美白レーザーと言われるものが行われています。この美白レーザーは、インティマレーザーやモナリザタッチと言われるものです。皮膚表面に照射し皮膚を剥がして行い、皮膚再生を促し、黒ずみを改善するといった仕組みになります。
このようにして、一言で黒ずみといっても人によって原因やそれに対する改善方法などが異なりますので、自己判断で行うのはかえって悪化させてしまう恐れがありますので、病院で原因をしっかり把握してから改善されることをお勧めします。
みなさんはデリケートゾーンの洗い方をきちんと学んだ機会はあるでしょうか。
デリケートゾーンをきちんと洗うことで、外陰部を清潔に保ち、臭いの悩みの解決へと第一歩となります。洗う時の大事なポイントですが、次の3つになります。まず、洗うのは膣外であり、膣内までは洗わないことです。次に、洗う順番は前から後ろです。そして、ソープはデリケートゾーン専用のソープを使うことです。専用のソープは低刺激の上にph3~5.5値の弱酸性のものになりますのでオススメです。
洗い方です。まずソープを出して、泡立てネットなどで泡立てます。次に、お湯で軽くデリケートゾーンにかけます。その泡で太ももの付け根をリンパマッサージをしながら洗っていきます。そして、VゾーンとIゾーンに移っていきます。陰毛には雑菌や汚れが付きやすいので、地肌をなでながら泡で洗っていきます。この際に抜けそうな毛はすいて抜いていってください。そして、クリトリスと尿道口を指の腹を使いながら優しく泡で洗っていきます。次に、大陰唇を洗い、そしてめくって小陰唇も洗っていきます。特にデリケートな部分なので、ごしごししたり強く洗わないようにしてください。ですが、汚れが溜まりやすい部分なので、特にヒダの部分は丁寧に注意して洗ってください。そして、会陰を洗ったら、肛門を洗います。ついでに、お尻の方も洗っておくとよいでしょう。適宜泡は追加しながら傷つけないように洗ってください。全て洗い終わったら同じ手順で今度は洗い流していきます。洗い終わったら、優しくポンポンとタオルで拭いたら今度は乾燥していくので、保湿クリーム等でデリケートゾーンを保湿してください。
しかし、本来の体質で清潔にすることだけでは臭いが改善しない場合もあります。その場合は、すそわきがといった体質の可能性もあります。ボトックス注射で改善させることができますので、キレイに洗っても改善しない場合は医療機関にご相談ください。すそわきがだけではなく、性感染症の場合も洗っただけでは臭いが改善されませんので、その場合も医療機関を受診してきちんと治療することが大事です。
セックスをするときに痛くてできない、途中でやめてしまう、セックスのあと外陰部が痛いなどの悩みについて、その方に最も合った方法で治療を進めていきます。セックスをするときに痛いのに、パートナーに言えずにセックスを続けるとさらに痛みや病状が悪化してしまうことがあります。院長は日本性科学学会で性生活の改善について治療法を日々研鑽しています。診察もその方のこころやからだの状況を判断しながら進めていきますのでどうぞ安心して早めに受診して下さい。
避妊法にもさまざまな種類があります。避妊効果の高い順番に御紹介します。 出産経験のある方は子宮内避妊具(子宮内リング)もお勧めですが、出産経験のない方や月経のトラブルのある方(月経量が多い、月経痛がある)、月経前に体調不良のある方には低用量ピルがお勧めです。また、コンドームはきちんとつければ避妊効果も期待できますが、破れてしまう、抜けてしまうといったハプニングも起こります。女性が自分自身でからだを守り、確実に避妊するためには低用量ピル、性感染症の予防のためにコンドームを使う。このダブルブロックでぜひご自身のこころとからだを大切にして頂きたいと思います。
女性では卵管結紮法(分娩後に行うのが一番からだに負担が少ないでしょう)、男性では性管結紮法を行います。避妊効果は極めて高いのですが、手術後に子供が欲しいと思った場合には女性の場合は体外受精の適応になります。
エストロゲンとプロゲストーゲンというホルモンの混合剤を内服することによって排卵が抑制されて避妊が可能となります。 正しく服用すれば失敗率はわずか0~0.3%で、男性に頼ることなく自分の意志で避妊でき、性感を損なわない、月経痛が楽になるなどのメリットがあります。 デメリットに関しては、悪心、乳房がはる、頭痛、むくむなどの副作用がありますが、低用量ピルではホルモンの量が少なくなったため副作用が激減しています。肥満傾向のある人、喫煙者などでは血栓症のリスクが増えますので、当クリニックでは低用量ピルを服用される方は6ヶ月ごとに血液検査を行っています。
子宮内に留置する避妊器具です。避妊効果は99.9%で、使用感もなく、5年くらいの周期で入れ替えるだけなので、出産経験のある方にはお勧めです。ただし月経量が増える、月経期間が長引く、不正出血が起るなどといった症状が出現する場合には、リングを抜去する必要があります。
当院では様々な子宮内リングを取りそろえております。詳しくはクリニックまでおたずねください。
主に男性のペニスに装着する避妊器具です。ペニス挿入前から装着できれば避妊効果は極めて高いのですが、装着のタイミングが遅れたり、コンドームの膣内置き忘れ、破損などにより避妊効果が低下します。
コンドームの破損、レイプ、低用量ピルを3日以上服用を忘れたなど、妊娠の可能性が発生した場合に、その直後に内服することによって排卵を遅らせて妊娠を回避します。予期しない妊娠を約90%防ぐことができます。
40才半ばを過ぎると、卵巣の機能が低下し、いわゆる更年期障害といった症状が出てきます。 のぼせ、ほてり、動悸、発汗、肩こり、不眠、うつ、イライラ、尿失禁などの症状です。 この更年期指数の合計点が50点以上になった場合は婦人科での診察をお勧めします。
簡略更年期指数
症状 | 強 | 中 | 弱 | 無 | 点数 |
---|---|---|---|---|---|
顔がほてる | 10 | 6 | 3 | 0 | |
汗をかきやすい | 10 | 6 | 3 | 0 | |
顔や手足が冷えやすい | 14 | 9 | 5 | 0 | |
息切れ動悸がする | 12 | 8 | 4 | 0 | |
寝つきが悪い | 14 | 9 | 5 | 0 | |
怒りやすくイライラする | 12 | 8 | 4 | 0 | |
くよくよしたり憂うつになる | 7 | 5 | 3 | 0 | |
頭痛、めまい、吐き気がよくある | 7 | 5 | 3 | 0 | |
疲れやすい | 7 | 4 | 2 | 0 | |
肩こり、腰痛、手足の痛みがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
治療はホルモン補充療法といって女性ホルモンを投与するという方法を主に行います。 女性ホルモンを補うことで更年期の症状は劇的に改善しますが、日常生活の改善も重要です。規則正しい食生活や睡眠、ストレッチなど血液の循環を良くすること、体を冷やさないことなど、当たり前と思われることがとても大切です。軽い症状であれば、健康管理のアドバイスだけですむ方もいらっしゃいますし、ホルモン補充療法以外にも、漢方薬や胎盤エキスで治療をする場合もあります。人のからだはそれぞれ違っているので、その人に対応した医療が大切だと考えています。
女性のからだは35歳を境に女性ホルモンが減少し、女性器の老化も始まります。灼熱感、乾燥感、ヒリヒリ、ムズムズ、性交痛など、、、。
女性ホルモン剤を使用することで症状は改善しますが、女性ホルモンをずっと続けるのはためらわれる方もいらっしゃるかと思います。いままでに色々試してみたけれどどうしても症状が改善しなかった、血栓症、子宮筋腫や子宮内膜症、乳がん、子宮体がんなど女性ホルモン依存性の腫瘍を合併している方 などにぜひ膣・外陰レーザー治療のモナリザタッチやヒアルロン酸治療のフェムフロー又、モナリザタッチとフェムフローを同日に受けるモナフロー®をお勧めします。残念ながら、保険診療の対象外になってしまいますが、満足度はとても高い治療法です。
また、出産の後や年齢とともに膣のゆるみや尿もれといった不快な症状が気になり始めます。今までは骨盤底筋を鍛える「膣トレ」しかないと思われがちでしたが、膣の筋層まで超音波を当てる膣ハイフやエムセラがとてもお勧めです。膣の筋層まで刺激を与えることによって骨盤底筋トレーニングよりも有効となります。この治療も保険診療の対象外となってしまいますが、満足度はとても高い治療です。
たまった疲れやストレスによる不定愁訴はなかなか改善しないものです。
プラセンタの作用機序はまだ完全には解明されていませんが、細胞呼吸促進、創傷治癒促進、抗疲労などの作用が認められ、多種多様の生物学的活性作用がからだへのプラスの作用を示し、組織細胞の新陳代謝を高め、からだの異常状態を正常化させる作用があります。
プラセンタはこれらのからだの悩みを一掃してくれます。
今のところ更年期障害と乳汁分泌不全のみが保険適応となっています。
それ以外のアンチエイジングや美白のみを目的として使用される場合には自費(1回2,000円(税別))となります。注射部位の発赤や稀にショックを起こすことがあります。
妊娠を希望してから1年間以上妊娠が成立しない場合に不妊症と診断します。
女性側の原因としては無排卵をはじめとするホルモンの異常、子宮筋腫や子宮の奇形などで子宮が変形している場合、卵管の通りが悪いといった原因が多く、男性側の因子としては精子の数の減少や運動率が悪い場合などがあります。
原因を調べるために、まずは基礎体温をつけることをおすすめします。
最近ご夫婦ともお仕事が忙しく、帰宅時間がすれちがったりするため、妊娠しやすい時期での性交のタイミングが合っていないカップルが増えています。この原因も案外多く、タイミング指導だけでも妊娠するカップルもいます。基礎体温表にはいつ性交をしたかということもきちんと記入することをお勧めします。
なお当クリニックでは人工受精は行っておりますが、体外受精は行っておりません。人工授精は、濃縮などの精子の前処置は行っておらず、自費(6,600円税込)になります。
不妊の治療では、両側の卵管が完全に閉鎖している場合を除いてはいきなり体外受精から始めることはありません。治療を始めてもなかなか妊娠しない場合には、その方に合った体外受精をしている高度不妊治療の専門病院を紹介いたします。
当院では分娩は取り扱っていませんが、里帰り出産の方や、仕事をしていてなかなかお休みをとりにくい方などを対象に妊婦健診を積極的に行っており、妊娠8〜9ヶ月を目安にご希望の分娩施設にご紹介しています。
また、妊婦健診のたびに4D超音波検査を行い、撮影した動画は「Angel memory」というシステムを利用し、スマートフォンやパソコン、タブレットでいつでも、どこでも閲覧することができます。 (専用カードは2,750円税込です)
妊娠経過中に異常が起きた場合は、病診連携により適切な医療機関へ責任をもってご紹介させていただきます。
当クリニックでは4D超音波検査を実施しています。4D超音波検査は、お母さんのおなかにいる赤ちゃんの動いている様子などが実時間(リアルタイム)で、つまり生中継で見ることができます。
助産師が毎週水曜日に母親学級を開いています。
少人数で行っていますので、気負わず楽しく参加できると好評です。
妊娠中の不安な事を気軽に相談できた、妊婦さん同士で友人ができた、色々な情報交換の場になった、などの嬉しいお声を頂いています。
内容は、安産教室、鍼灸教室、産後の振り返り教室などいろいろあります。